法人が負担すべき社会保険料の損金算入時期に注意!

2018年06月06日 - 税務関連情報

 税法では、法人が負担する社会保険料の額はその保険料の額の計算の対象となった月の末日の属する事業年度において損金の額に算入することができるとされている。そこで注意が必要なのは、法人の事業年度の末日が月末でない法人のケースだ。例えば、6月20日決算のA社は、その負担すべき社会保険料の額について、期末の6月20日時点では、当月分の社会保険料の実額が明らかではないことになる。

 そこでA社は、6月1日から決算期末である6月20日に係る社会保険料の額を見積額で計算し、継続的に法定福利費として損金に算入した。具体的には、5月分の納付実額を基礎にこれを日数按分(2/3)した金額を6月1日から6月20日に係る保険料の額として損金計上し、翌期に6月分の納入告知書が発行されて6月分の納付額が明らかになった時点(7月)で前期末の見積計上額を洗替処理により調整する予定とした。

 しかし、税法は、こうした処理を認めていない。法人税法上、その事業年度の損金に算入すべき金額は、その事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用でその事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く)の額とされている。そして、法人が負担する社会保険料については、その保険料の計算の対象となった月の末日の属する事業年度において損金に算入することができるとされている。

 これは、法人が負担する社会保険料は、被保険者が月末において在職している場合には、同者に係る保険料を翌月末日までに納付することになり、被保険者が月の途中で退職した場合には、同者の退職月に係る保険料は納付する義務はないことによるものだ。したがって、法人の負担する各月の社会保険料の支払債務は、その月の末日における従業員の在職の事実をもって確定することになる。

 こうしたことから、法人が負担すべき社会保険料で月末の到来しない月に係るものについては、上記のA社の例のように、前月などの納付実績を基礎として合理的に見積もったとしても、その見積額を損金に算入することは認められない。法人の事業年度の末日が月末でない法人については、その末日を含む月の社会保険料については、その事業年度の損金に算入することはできないことになる。