少額減価償却資産の会計処理には固定資産税も留意!

2018年08月06日 - 税務関連情報

 少額減価償却資産の会計処理で留意すべきことの一つに、地方税の固定資産税との関係がある。税法上、使用可能期間が1年未満又は取得価額10万円未満の減価償却資産については、少額減価償却資産として取得・事業供用時に一時に損金算入することが認められている。また、取得価額が20万円未満の減価償却資産については、通常の減価償却のほかに、3年で均等償却(1/3の年償却)する一括償却資産の損金算入を選択できる。

 10万円未満の資産の損金算入と3年均等償却は、すべての事業者が対象となるが、青色申告書を提出する中小企業者等は、さらに、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、その取得価額の全額(その事業年度の取得価額の合計額が300万円に達するまでを限度)を損金算入(即時償却)できる少額減価償却資産の特例がある。つまり、中小企業者等が取得価額30万円未満の資産を取得した場合、選択肢が3つあることになる。

 特に取得価額10万円以上20万円未満の資産を取得したケースでは、通常の減価償却をするか3年均等償却するか、さらには少額減価償却資産の特例を選択するか迷うところだ。もちろん、その事業年度の課税所得が大きな判断材料となろうが、それ以外に考慮したいのは地方税の固定資産税との関係だ。というのも、少額減価償却資産が固定資産税の課税客体(償却資産)となるかどうかは、選択した会計処理によって異なるからだ。

 固定資産税は、通常の減価償却では当然課税客体だが、一時に損金算入された10万円未満の資産や3年均等償却を選択した10万円以上20万円未満の資産にはかからない。ところが、中小企業者等のみに適用される30万円未満の資産の即時償却を選択した場合は、10万円未満の資産を除き固定資産税がかかる。こうしたことから、少額減価償却資産の会計処理には、固定資産税も考慮に入れた判断が必要になってくるわけだ。

 ちなみに、固定資産税における償却資産とは、耐用年数1年以上かつ取得価額が10万円以上で、例えば、パソコンやエアコン、事務用デスク、看板など減価償却している資産をいう。固定資産税は、減価償却資産について、未償却残高が合計で150万円以上の場合にのみ課税され、合計150万円未満の場合には課税されない。つまり、事業で使う高額な資産をあまり保持していない場合には課税されないことになる。