2017年の「不適切な会計」開示上場企業は53社

2018年02月02日 - 経営関連情報

 昨年1年間に「不適切な会計・経理」を開示した上場企業は53社で、前年の57社から4社(前年比7.0%減)減少したことが、東京商工リサーチがこのほど発表した「2017年全上場企業の不適切な会計・経理の開示企業調査」結果で分かった。金融庁と東京証券取引所は上場企業が守るべき行動規範として、2015年6月に「コーポレートガバナンス・コード」を公表、関係各所に体制強化を求めている。

 拡大する営業網のなかでグループ各社へのガバナンスが行き届かず、不適切会計の開示に追い込まれる企業は少なくない。また、経営側に時価会計や連結会計などの厳格な会計知識が欠如する一方、現場でも適切な対応をできずに会計処理を誤る事例も生じている。これは事業のグローバル化にガバナンスが機能しなくなったり、会計処理の高度化や現場の人手不足などの状況を改善できない場合、今後も不適切会計が増える可能性を示している。

 内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が28社(構成比52.8%)で最多だった。次いで、架空売上の計上や水増し発注など、営業ノルマの達成を推測させる「粉飾」が14社(同26.4%)と続く。また、子会社・関係会社の役員や従業員による「着服横領」は11社(同20.7%)で、「会社資金の私的流用」、「商品の不正転売」など、個人の不祥事についても監査法人が厳格な監査を求めた結果が表れているようだ。

 発生当事者別では、最多は「子会社・関係会社」の23社(構成比43.3%)で、前年から1社減少した。子会社による売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立つ。「会社」は21社(同39.6%)だったが、会計処理手続きの誤りや事業部門で売上の前倒し計上などのケースがあった。「会社」と「子会社・関係会社」を合わせると44社で、社数全体の83.0%と圧倒的多数を占めた。

 市場別では、東証1部上場の増加が目立ち、調査開始以来、最多の30社(構成比56.6%)を記録。次いで「ジャスダック」が12社、「東証2部」が8社と続く。また、産業別では、「製造業」の26社(同49.0%)が最多。製造業は、国内外の子会社、関連会社による製造や販売管理の体制不備に起因するものが多い。卸売業では、子会社が不明瞭な外部取引で売上架空計上や循環取引を行っていたケースなどが目立った。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180125_01.html