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実践ガイド
 企業組織再編成税制

【共著】  朝長 英樹
      竹内 陽一
      中尾  健

A5判・単行本・468ページ

清文社(2017/12/21)

定価3,600円(税別)

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は し が き

 

 平成 12 年の会社分割制度の創設を契機として、平成 13 年に組織再編成の全般にわたる税制の抜本的な見直しが行われ、「組織再編成税制」が創設されました。

 

 この組織再編成税制は、商法・会社法や企業会計に先んじて、組織再編成の全般にわたり、体系的かつ理論的に取扱いを構築したものでした。

 

 この組織再編成税制においては、法人が組織再編成によりその有する資産を他に移転した場合には、その資産の譲渡損益の計上を行うのが原則であるが、その法人がその資産を「まだ持っている」と言い得る状態にある場合には、特例として、その資産を帳簿価額によって移転させる処理をする、という考え方を基本として、多岐にわたる取扱いが整備されています。

 

 その後、平成 18 年には、株式交換・株式移転に関する取扱いが組織再編成税制に加えられ、平成 22 年には、現物分配に関する取扱いが組織再編成税制に加えられました。

 

 このような中で、本書の初版は、平成 22 年9月に、企業組織再編成全般の実務書として刊行 されました。

 

 しかし、今般、平成 29 年度改正において、新たにスピンオフとスクイーズアウトへの対応措 置が組織再編成税制の中に設けられ、また、適格分割型分割の支配関係継続要件の改正によって分割後に支配株主と分割法人との支配関係の継続が不要とされるなど、大きな改正が行われました。

 

 これらの平成 29 年度の組織再編成税制の改正は、平成 18 年度や平成 22 年度の改正よりも実 務に大きな影響を与えることとなるものと考えられます。

 

 このため、今回、本書の初版を改訂し、平成 29 年度の改正事項を織り込むこととしました。

 

 平成 29 年 10 月1日現在、平成 29 年度の組織再編成税制の改正に対応する通達が発遣されていませんので、一部、取扱いが明確でない部分もありますが、この改訂版では、平成 29 年度の改正事項を概ね織り込むことができたものと考えています。

 

 この改訂版の著者は、初版の著者と同様に、いずれも組織再編成の実務に携わる税の専門家となっていますので、この改訂版は、初版と同様に、組織再編成の実務について知りたいという読者の方々のご要望にかなりの程度まで応えることができるものと考えています。

 

 

  平成29年10月

                                                               著者一同

目 次

 

Ⅰ 適格組織再編成の要件① グループ内再編成 Q&A

 

 1 概 要

 

 2 適格合併の要件

 

 3 適格分割の要件

 

 4 適格現物出資の要件

 

 5 適格株式交換等の要件

 

 6 適格株式移転の要件

 

 7 適格現物分配

 

Ⅱ 適格組織再編成の要件② 共同事業を行うための再編成等 Q&A

 

Ⅲ 非適格再編成 Q&A

 

Ⅳ 組織再編成における資本金等の額と利益積立金額 Q&A

 

 1 合 併

 

 2 分割型分割

 

 3 分社型分割

 

 4 無対価分割

 

 5 現物出資

 

 6 現物分配

 

 7 株式分配

 

 8 株式交換・株式移転

 

 9 譲渡損益調整資産に係る譲渡損益の繰延べ

 

 10 自己株式(金庫株)

 

 11 完全支配関係法人間の寄附金・受贈益の損金・益金不算入と株式帳簿価額修正

 

Ⅴ 組織再編成における株主の税務 Q&A

 

Ⅵ 適格組織再編成における欠損金の引継制限・使用制限 Q&A

 

 1 未処理欠損金額の引継ぎ

 

 2 自社の未処理欠損金額の使用制限

 

Ⅶ 特定資産譲渡等損失額の規制 Q&A

 

Ⅷ 法人の解散・清算と残余財産の確定、期限切れ欠損金の取扱い Q&A Ⅸ 連結納税
   と適格組織再編成

 

Ⅹ 組織再編成と消費税・不動産取得税等 Q&A

 

Ⅺ 適格組織再編成と行為計算の否認